世界遺産の問題

地域的不均衡や多様性の繁栄が課題
世界遺産は人類の宝として、保存していくことが決まっています。もちろん、そのこと自体は非常に有意義なことです。しかし、最近の世界遺産についてはいろいろな問題があり、世界遺産委員会の中で議論がなされています。
そのことについて少し紹介しましょう。
まず、遺産登録数の地域的な不均衡が上げられます。欧州諸国が全体の50%以上を占めているのです。世界遺産の考えに賛同して条約締結をしている国でも、いまだ登録数がゼロという国が全体の4分の1もあります。
また、世界遺産は自然遺産と文化遺産に分類されますが、文化遺産の数は自然遺産の6倍もあります。文化遺産は欧州諸国で急激に増加していますが、自然遺産はアフリカ、アメリカ、オセアニアに集中しています。
それから文化遺産の内容は宗教施設や古代都市など国が違っても同じような内容のものに偏っています。世界の多様な文化を反映しているとは言い難い状況があります。
このような状況を踏まえて、世界遺産委員会は改善の方策を打ち出しています。1992年には分類として「文化的景観」というものをカテゴリーに入れています。それから、1994年には広範囲の文化表現を世界遺産として捉える方向性を示しています。
審査においては暫定リストを作成し、それを検討することによって登録の可否を決定することになっています。近年では国単位でも申請件数、全体の審査対象件数の上限を設定するようになりました。
世界遺産はこれからも増加していくのでしょうが、多様な文化を知ることができるようなものになることで、多くの人の関心を集めるのではないでしょうか。
世界遺産の本